皇子には苦い過去がある。
「皇子に苦くない過去ってあるの?」
・・後で体育館の裏で会おう。
皇子、ふとした機会にその過去の記憶が蘇ると、後悔の念を禁じ得ない。
以前、逆ナンをされたときの話だ。
六本木で開催されたクラブイベントに繰り出した時のことだ。
DJが奏でる大音響のダンスミュージックに支配され、多くの男女でごった返している会場は熱気に包まれていた。
当然場内は薄暗い。
だがそんな中、皇子から少し離れた柱の前にいる女子が皇子に視線を送ってくる。
皇子は普段女子から見つめられることが無いため
たまにそのような視線を受けると必要以上に感じ取ってしまう。
それは超精密の感度センサーの如く。
音楽に乗るふりをしてそれとなく
女子の近くに歩を進めると、女子のほうも皇子のそばに近くに寄ってくる。
「あのー」
モヒートのグラスを片手に女子が話しかけてくる。
もしやこれは。
「ここよく来るんですかぁ?」
「素敵だなぁなんて思って」
皇子にしてはまさかのビンゴ。
話を合わせていくと、
必要以上に盛り上がる。
このスチュエーションなら
会話が殺人レベルにできない以外、
話が弾まないわけがない。
「よかったら、この後、みんなで飲みに行きませんか?」
「私も友達2人と来ているのでよかったら」
皇子は急いでその女子と連絡先を交換し、
一緒に来ていた友人たちに打診する。
「皇子、すごいじゃん!」
「なるほど。行けそうだな、それ」
「いくいく!じゃ適当に理由つけて早めに店に連れてこう!」
彼らも歴戦の強者。
瞬時の状況判断から、即行動が吉と踏んだようだ。
そして男子たちは用意を済まし、皇子、さっきの女子に連絡。
電話に出ない。
数度かけたが電話に出ず。
折り返しなし。
薄暗い会場を見渡してもそれらしき影はなく。
本日の勝利を前に
いきり立つ友人たちに対して
皇子はなんとも言い様がない。
そして結局、その女子は見つからず。その後、連絡も無し。
罰ゲームのたぐいか。
総評
他の男子に持ち帰られる隙も作らなかったのにこの所業。
皇子、前世でいったいなにしでかしたんだろう。
エロス ★★★★★
難易度 ★☆☆☆☆
なごみ度 ★★★☆☆
モテ度 ★★★★★