カラ回り 第294夜

男子4人、女子4人の飲み会での出来事。
まあまあ前の話なる。

今回は皇子が開催した飲み会で、
親しい友人に加え一人飛び道具のような男子を呼んでいた。

彼の名前は、ラブ。
名前の通り恋多き男。

そして当時流行っていたパラパラをこよなく愛するナイスガイ。
自分語りが少々眺めなのは玉に瑕だが、
飲み会の慣れ度は半端ない。

そんな彼を迎え、高田馬場の雑な居酒屋でスタートした飲み会は、ピッチャーの安サワーが進めば進むほど盛り上がりを見せた。

当時のスタイルとしては
まずは男子たちが率先して全体を盛り上げ
その後、飲みゲームなどを何周もして全体に酒を回す。

そして、みんなにアルコールが入り、
ほろ酔い加減になった頃合いで各自気に入った女子に狙いをさだめ、1対1のトークに持ち込む。

その後は、それぞれの実力次第、というわけだ。

今回の女子4人は全員キャバクラ勤務。
男との飲みには慣れている手練たちだ。

相手にとって不足はない。

その中でも
皇子は一人の女子と会話が盛り上がる。
きれいなブラウン系ロングヘアーに巻き髪。
手足が長く、でも唇にエロスを感じる彼女に皇子は惹かれた。
もちろんミニスカートである。

飲み会は終盤を迎え、
会計の時間となる。

幹事の役目上、男子全員からお金を集め、会計に向かう。
この店はテーブルチェックではなく、レジまで行かないと支払いできないシステムだ。

各自、このあとはそれぞれの意中の女子と別行動となるだろう。

皇子は事前に彼女に
「今日この後2人で飲み直そうよ、待ってて」と言い含めている。

全員、エレベーターで1階まで降り、そこで待っているという。
皇子は、新人さんなのか、その店のもたつく会計に焦りを覚えたが、なんとか済ませエレベーターに乗り込む。

1階で扉が開く。
そこに待っていたのは、
男子1人。

皇子12神の一人、光速のアンソニー。
彼は今日の飲み会でお気に入りの女子はできなかった模様。

と、思ったらその飲み会に来ていた、皇子が待っててと約束した女子とは別の子がペットボトルのお茶を2本持って戻ってきた。

「あ、買ってきたよ!どうする?」

アンソニー、女子の自腹でペットボトルのお茶を自分の分も含めて買ってこさせ、さらにはそのまま一人暮らしの彼の自宅にいっしょに帰ろうと約束を取り付けていたらしい。

いつもながら、アンソニーの光速洗脳の実力には恐怖すら感じる。

今日あったばかりの女子が、なぜか彼の言うことを全部聞く。
キャバクラ勤務で男から誘われたり口説かれたりは慣れたものであろう彼女、そうそう男の言葉は、とりわけ飲みの席での会話は意に介さないはずだ。

でも目の前の彼女は、アンソニーの腕に手を回し、彼にしなだれかかっている。

なんだそれ、アンソニー、ちんちくりんなのに。
まあ、アンソニーについては今回は良しとしよう。

問題は皇子の相方だ。
「あの子もそのあたりにいるの?」
と聞いた皇子に、アンソニーとその横にいる女子がちょっと困った顔になる。

「え、あの子?」
「そう」
「あの子、ラブくんと帰ったよ」

しまった。

家に帰るまでが遠足。
飲み屋を出るまでが飲み会。

女子の精神ブロックのみでなく、
男たちへの根回しを怠っていた。

その日、他の女子とはそこまで盛り上がっていなかったものの、皇子が彼女をずっと横において話していたのを知っていて、それでも持ち帰るラブ。

むう、これは。
だが今回悪いのは皇子だ。
男子たちに明確に「この子はやめてほしい」とは確かに言ってなかった。

やむなし。
男は引き際も肝心だ。

いまどうこう言っても結果は変わらない。
後日に賭けよう。

そう、皇子は念のため彼女の連絡先だけは飲み会の最中にチェックしていたのだ。

翌日、彼女に連絡を入れる。
「昨日はお疲れ〜!楽しかったよ、あのあと帰ったの?」
と気持ち悪い探りを入れる皇子に対し

「え、ラブくんと帰ったよ!」
と彼女。え、そんなに素直に種明かしする?

「そっかー、あのあと一緒に飲みたかったけど」

皇子の未練を見透かすように彼女が答える。
「わたし、ずっと待ってたんだけどなかなか降りてこなかったから」
「みんなもう解散って感じで、わたしもどうしようかと思ってたらラブくんに飲もうと誘われて」

これ、確実にいけたやつじゃん。

「そうなんだ。でもラブ酷いよね、皇子が気に入ってるのを知ってて」
これに彼女、まさかの一言。

「え〜、でもラブくんいい人だったよ」
「ラブくんも一緒に皇子待っててくれたんだよ、すごいやさしい」

さては、ラブ、対局したな。
女子は対局したら相手のことが多少なりとも気になりだす。
(ちなみに皇子だけはどれだけ対局しても女子にとっての想い人になることはないのだが)

皇子も経験豊富だ。
女子がこの手の会話をしてきたときはどういう意味なのかよく分かっている。

自身が気に入ってしまったラブのことを皇子が「酷い」と言ったのが癇に障ったらしい。

なんだそれ。

ちなみに皇子が
「まあ、また今度飲もうよ、来週とかあいてる?」
と聞いた言葉に
「来週まだわかんないかな、あでもラブくんとまた飲むよ」
との返答。

この返答を受けた以上、すでに皇子に対しては1ミリの感情もない。
このくだりもさんざん慣れてる。

毎回思うが、皇子が女子側からそのように大事される側ってなったことないな。

総評
たまにはね 経験したいの モテる側

本日の対局
結果     カラ回り
エロス    ★★★★★
難易度    ★★☆☆☆
なごみ度   ★★★☆☆
モテ度    ☆☆☆☆☆