カラ回り 第6夜

カラ回り王に、俺はなる!

数年前の話だ。
場所は、東京、渋谷。

時刻は午前5時半。
初秋の朝5時頃は外も若干薄暗い。

皇子は、女子二人と先程までいたクラブのすぐ近くにある
デニーズで遊び疲れた体を休めていた。

渋谷には朝までやっているクラブが多数あり
遊び好きな女子たちは毎週のように繰り出す。

そんな女子たち目当てに当時の皇子たちもクラブに入り浸っていた。

みんなで飲んで踊って声掛けして。
散々楽しんだあと
クラブの終了時間である午前5時に、
大勢の上気した客たちに紛れて店を出る。

さっきまでいっしょに歩いていた他の友人たち達は
さすがに疲れて一人消え二人消え
最後は、皇子と女子たちの三人のみが残された。

軽く飯でも食うかということになり入ったデニーズ。

ちなみに二人の女子のうち一人は皇子とそもそも顔見知りで初見ではない。

今回の主人公は、皇子の友達が連れてきた女子、名をアリサという。

まだ夏の香りを残したように浅黒く灼けた肌。
先程までの喧騒をそのままに、熱気をはらんだままのタイトなシャツ。

そして極限まで短いミニスカート。

まだ年は20歳そこそこだが妙な色気がある素敵な女子だ。

その当時の皇子のどストライクであった。

 皇子、なんとかその子の気を引こうと、一人果敢に、女子二人を盛り上げる。

彼女たちはコロコロ笑う。
そこまでは、王子のペース。悪くない。

そこに遅れてクラブから出てきた男が合流する。
男の名は、トニー。通称、半開きのトニー。

王子の友人でもあり、皇子12神の一人でもあるヤサ男だ。

トニーは皇子の友人たちの中でもトップクラスのAB型マイペース。
眠いのか、騒いで疲れ果てているのか、もしくはどこかで尻子玉を抜かれたのか、皇子の隣の空いた席に座ったまま放心状態。
一言も喋らない。

まぶたが半開きで、口も半開きだ。
気が抜けていることこの上ない。

トニーはずっとすべての穴が半開きのまま、
ガンガンその場を盛り上げる皇子の隣で
なんら会話もせずまどろんでいる。

まどろんでいるだけ。

そして時は経ち、そろそろ帰るか、ということになり解散と相成った。

皇子は計画通りアリサの連絡先を聞くことに成功。

だがなぜかついでということでトニーも携帯を取り出しアリサの連絡先をインプットしている。
時間とともにとろけ始めたトニーにしては、ナマケモノの倍くらいの案外すばやい動き。

あんた、アリサと一言も喋ってないじゃん。
まあいいか。

後日。
皇子が連絡をしても、アリサの反応は鈍い。
皇子はこのようなことは慣れっこではあるが、
どうにかしたい女子ではあったので悲嘆に暮れた。

がんばったのにな。

だが数日後トニーからの業務連絡でことは怒涛の展開を見せる。

あのあとすぐアリサのほうからトニーに連絡があったらしく、会いたいと。
で会ってすぐにアリサの家に連れ込まれて、対局に至ったらしい。

高いところにある果実を、どうにかして取りに行こうと常に奮闘する皇子。
果実が勝手に熟れて落ち、その着地点にたまたまいるトニー。

諸行無常の響きあり。

皇子、今まで女子からそんなにギラつかれたこと一度としてなし。
そんなんでうまくいくのなら、今度皇子、飲み会でずっと黙っていてみようかな。

 総評
でも皇子がしゃべらないと、ただの置物。

本日の対局
結果     カラ回り
エロス    ☆☆☆☆☆
難易度    ☆☆☆☆☆
なごみ度   ☆☆☆☆☆
モテ度    ☆☆☆☆☆