皇子、友人の会合にお呼ばれした。
場所は渋谷の焼肉屋。安価でうまい肉を出す、イカしたお店だ。
友人の名は、イブキ。
彼は男子女子別け隔てなく交流し、加えて連絡も非常にマメなので、ファンという女子も多い。
今日は、男子3人、のファン12号の女子とその友達2人の6人での会合と相成った。
ほぼ定時に集合し、まずは乾杯。
イブのアテンドで、当日知り合ったばかりの男女も、早い時間に打ち解けてくる。
そしてラストオーダー。
なぜか続けざまにテキーラが出てくる。
焼肉屋でテキーラ?
そう、この店はイブのお抱えの店。
彼が会合を上手く回すために店員さんたちもみんな協力者なのである。
皇子が12将たちから学んだ会合の鉄則は、最初の1時間 全体で和み次の1時間 それぞれ気にった女子をマンツーマンのマークに切り替え都合2時間できっちり仕上げるというもの。
そのため、男子のチームワークと意思疎通が非常に重要となってくる。
皇子と、イブは問題ない。
もうひとりの男子、コウも及第点以上の動き。
いいバランスだ。
焼肉屋を出る頃には女子もみんなほろ酔いとなる。
「じゃ、二軒目行こうか。いいバーがある」
次の店も、イブの息がかかった店。
彼はこうやって、蜘蛛の巣を貼り、範囲を狭めていく。
だが、ここで緊急事態が発生。
コウが、1人さっさと帰ってしまったのだ。
バランスが崩れた。
さらには2軒目。
知り合いのバーということで安心したのか、ソファー席の居心地が良かったのか、イブキがウトウトとし始めた。
そうなれば女子3人と皇子の構成。
布陣としては、皇子と、少し酔っ払って皇子にもたれかかる女子。
そして、ついには寝てしまっているイブを2人の女子が囲む。
皇子の隣で酔っ払っている女子に軽く打診してみる。
「なんかグダっているから、眠気覚ましに二人で出ようか」
女子、いいよーとのこと。
ただここで焦ってはことを仕損じる。
女子3人は学生時代からの友達で結束も硬い。
1人を連れ出すとなると、かならずガードが固くなる。
最悪なのは、じゃああたしたちもいくーという、地獄絵図。
本来ならば、そこにいる男子がそれぞれの女子をガードしてマンツーマンに持ち込むのだが、今はそれを望むべくもない。
そう、ここはもうアウェー。
成果を出すためには、ほんの小さな隙間をかいくぐるしかないのだ。
ならば、皇子が1人の女子にご執心であるという構図はまずい。
カラオケでみんなを盛り上げる。
寝ているイブも少しだけ起こして、寝ぼけまなこで歌わせる。
イブ、また寝る。
女子の歌も最大限盛り上げる。
と同時に皇子にもたれかかっている女子のフォローも忘れない。
八面六臂の活躍を果敢に行い、女子たちの包囲の切れ目を探す。
そうやって小一時間。
厚い包囲もだんだんと緩んでくる。
ここぞとばかりにダメ押しで盛り上げる。
次第に女子たちの気も緩み、隙が生まれ始める。
刹那。
包囲の隙間に一筋の光明が。
ここだ。
皇子、そばにいる女子と示し合わせ、コートを着させる。
友達女子が話しかけてくるが、柳のようにいなす。
流れるような動きで立ち上がり、バーの扉を押す。
後ろには当然、その女子。
イブの横にいた女子1人が心配だからと追ってくる。
大丈夫だよ。俺責任持つから。
皇子の謎の言葉に女子の最後の追撃も潰えた。
「わかった。皇子、この子お願いね!」
そして、店から出た二人、夜の街消えゆくのであった。
総評
数ミリの隙間を逃しているようでは皇子は対局できない。
エロス ★★★★☆
難易度 ★★★★☆
なごみ度 ★☆☆☆☆
モテ度 ★☆☆☆☆