カラ回り 第280夜

誰も悪くない。
そう誰も悪くないのだ。

皇子の仲間たちはとてもアクティブ。
やれ、だれかの誕生会だとか、ハロウィンだとか、花見だとか、大勢集めてイベントをやりたがる。

そしてその場には女子たちも大勢集う。
各自仲のいい女子やその友達などを呼び合うのだ。

皇子にとっても、普段から仲のいい仲間たちと酒を酌み交わせる喜びと、新たな女子たちとも出会える喜びからとてもいい機会となっている。

今回のイベントは、4月頭、目黒川沿いのオープンスペースでの花見。
時期もちょうどよく、きれいな桜と美味しいお酒、気のおけない友人たちとのひとときはなにものにも代えがたい。

まだ早い時間とあって、目黒川沿いの遊歩道は家族連れ、カップルなど、同じく満開の桜を愛でに来た人々で賑わっている。

時が経つにつれ、皇子たちのグルーブの人数は増えていった。
午後3時位には総勢50人ほど。
大所帯だ。

そこに来ていた女子、ココロ。都内の大学4年生。
女友達に誘われて初めて参加したという女子だ。

ひと目で皇子はココロの姿に目を奪われた。
上半身はタイトな薄手のニット。
ミニスカートからすらっと伸びた足。
若干厚底のブーツがさらにそのシルエットを強調する。
髪の色はハイトーンのブロンド。
日頃から脚フェチを公言している皇子としては100点の女子だ。

この出会いのチャンスをみすみす逃すほど、皇子は恵まれていない。
果敢に声をかけ、仲間も交えて盛り上がり、その会の男子の中では目立って楽しい存在であるということは印象付けられたと思う。
ココロも皇子のトークにころころと笑う。

そして散会のタイミングでLINE交換を打診。
ココロは当たり前のようにQRコードを出してくる。

解散してからややあって、皇子は彼女にアプローチメッセージを送信する。
するとものの5分で返信がある。

「今日は楽しかった!またぜひ飲もうね!」

この反応は経験上、けして悪くない。

それから幾度かのやり取りでも非常に反応はいい。
月末のアポイントを取り付けた。

そして出会いの当日。
気がはやる皇子は待ち合わせ時間の18時より少し早い時刻に六本木交差点に降り立った。
この時分は18時でもまだまだ明るい。


「皇子、私もう着いてるよ!」
ココロからのLINEを確認し待ち合わせ場所を見回す。

あれ?
それらしき女子がいない。
交差点に初老の女性、子供連れの女性、あとは黒髪でパンツスタイルの女子。

うーん、ちがうかー。

「えー、皇子どこにいるー?」
「電話してもいい?」

黒髪女子がスマホを耳に近づける。
刹那、皇子のスマホが震える。

彼女がココロだった。

「昨日から就活でメイクもナチュラルにして、髪も黒髪に戻したの!どうかな」

え、今の感じも全然似合うじゃん!
とココロには全力で伝えはしたが、皇子こないだのがよかった。

ココロはいい子だった。
皇子も楽しんだ。
でも、

この間のままで来てほしかった。

これって誰も悪くないよね。

総評
いや、悪いのは皇子だと思うよ。

本日の対局
結果     カラ回り
エロス    ★☆☆☆☆
難易度    ★☆☆☆☆
なごみ度   ★★★★★
モテ度    ★★★☆☆