カラ回り 第88夜

皇子、時々女子の方からタイプと言われることがある。

先日、皇子は仲間たちと大勢で飲んでいた。
友達が友達を呼び、さらには女子を呼び、終いには男子20名女子10名の大所帯。

その中で女友達に連れられてきていた女子、エリはこの中では新顔。

そんなエリに盛りのついた男たちが群がる。
「ねえ、エリちゃんはこの中の男なら誰がタイプ!?」

男たちは皆、多少は遊び慣れていて自分への自信も持っている。
だからこそ、たぶん俺だろうとの思いでエリの発言に聞きいる。
隣で別のグループと話していた男子も、背中で聞き耳を立てている。

その場にいる男全員が固唾をのんだその瞬間。

「あたし、あの人皇子が一番いい!」

エリから割と遠くのグループと飲んでいた皇子は、そこに選ばれると勘違いができるほどいままで恵まれてきたわけでもないので、びっくりしてエリを見る。

エリの回りに群がる男たちも一斉に皇子に視線を向けた。

「え、まじで皇子!?」
「皇子、いいなー。じゃあ皇子の横に座りなよ!」

彼らもそれぞれ一様に軽いショックを受けたようだが、それはそれ、みんなでエリを皇子の隣に誘導してくれる。

皇子の隣にすわったエリと改めて乾杯。
お互い名前以外ほぼ情報がないということではじめましての自己紹介。

多少話をしたがやはり気に入られていると随分と話がしやすい。
それならばということで
二人で別の店で飲み直そうということに。

「ええー。今日はみんなでいようよ」
というエリの声もあったが
みんなの手前、出ざるを得ない。

てっきり自分が選ばれると思っていた
12神の一人、渋谷のマークは至極悔しそうだ。

悔し紛れにいちおう最後エリの連絡先は聞いていた模様。

そして皇子とエリ、近場のバーに。

が、なにやらエリの様子がおかしい。
会話がさっきほど盛り上がらない。

皇子は嫌なものを感じた。

これは、
いざ相手から向かってこられると
引き潮のように引いてしまうタイプの女子だ。

そこからは
さきほどの態度と打って変わってトークが全く刺さらない。

一旦心を閉じた女子をこじ開けるのは至難の業。

不完全燃焼のまま、その日は終わり。

後日、マークから
「エリ、今日アポって対局。ドエロ」
とメールが。

この悲しみをどうすりゃいいの。
だれが僕を救ってくれるの。

総評
皇子を気にいった女子は、楽対局と業界ではもっぱらの評判。

本日の対局
結果     カラ回り
エロス    ★★★★★
難易度    ★★☆☆☆
なごみ度   ★★☆☆☆
モテ度    ★★☆☆☆