皇子、ある試みをしていたことがある。
時は昔。
皇子12神の一人、囲いのデュークとナンパに勤しんでいた頃のことだ。
当時はみんな学生でたいした稼ぎもなく、とくにデュークはひどかった。
携帯代金を支払うお金もなく、時々通話を止められていた。
女子の連絡先を聞いても連絡をする手段がない。 でも彼は女子と遊びたい。
そこで、考えた。
皇子の携帯を借りて、それで女子の番号を聞けばいいのではないか。
彼は当時、非常に女子に受ける見た目をしていた。
かつ弱音を一切吐かず淡々と声をかけ続ける胆力もあった。
そのため、女子から番号を聞き出すことは割とできた。
ただ、デュークがいいのはここまで。
彼は女子と何回も連絡を取って、会合につなげるのを非常に避ける傾向にあった。
めんどくさいと。
はたして、皇子の携帯アドレスには、デュークも忘れるくらいデュークがナンパした女子の番号がどんどん増えていった。
完全な塩漬け状態のアドレスが溜まっていく中、皇子は考える。
デュークが連絡をしないのであれば、皇子がデュークのふりをして、女子と連絡をとればいいのではないか。(当時はLINEもなくやり取りはメールだった)さっそくやってみる。
「この間はありがとね!会えてよかったよ!」
「嬉しい!ありがとう!いつも女の子ナンパしてるの笑?」
「いや、◯◯ちゃんがほんとに素敵だと思ったし、これを逃したら一生会えないと思って声かけちゃっただけだよ笑」
「みんなに言ってるんでしょ〜笑 でも嬉しいよ!」
むう。簡単。
皇子にとって女子とのメールは、ゼロからどうやって厳寒の冬山を登っていくかという地道な作業なわけだが、デュークのふりをしてメールをすると、低高度の夏山に8合目までヘリで行ってそこから登るようなイメージとなる。 そのため多少軽装でも許される。
「いま彼氏とかいないの??」
「いないよ〜(TдT) デュークは?」
「俺もいないよ(TдT)」
「え〜、デューク、すごくモテそうなのに!」
「からかってるでしょ笑」
「ひどーい!ほんとだよ。すごくカッコイイ」
「ありがとね!でもなかなかうまく行かないよ。◯◯ちゃんみたいな素敵な子が彼女だったら最高だけどね。ないものねだり笑」
「デューク遊び人だ〜!ホンキにしちゃうよ」
そうやってこの女子、デュークが知らない間に、デューク(中身は皇子)に口説かれ、デュークと付き合うことになった。
「そろそろ会おう。俺の友達にも彼女作ってあげたいから、◯◯ちゃんも友達連れてきて4人で飲もう!」
「デューク、友達思いだね♥いいよ、友達呼ぶね」
そして、その頃になってようやくデュークを召喚する。
4人での会合の場になり、経緯を何も知らないデュークがいる。
皇子と、デュークと付き合っている女子、そしてその友達。
女子は勝手にデュークに惚れている。
デュークはキョトンとしている。
女子は、デューク(だから中身は皇子ね)とのメールのやり取りのこと、幸せそうに話す。
デュークはキョトンとしている。
皇子が耳打ちする。
デュークが話を合わせる。女子は幸せそうな顔をしている。
そして、その日、皇子ともうひとりの女子を残して、デュークたち二人は夜の街に消えていった。
(ちなみにこういうとき女子は自分より可愛い女子をぜったい連れてこない)
結論
当初のイメージがいいと、多少雑でもどうにかなる。
エロス ★★★★★
難易度 ★★★★☆
なごみ度 ★★★☆☆
モテ度 ★★★★★★